世界共通語になりつつある、日本語の「生き甲斐(IKIGAI)」「改善(KAIZEN)」。日本語とは異なるニュアンスがプラスされている理由は、“日本=禅”のイメージがあるから。
世界に広まる「IKIGAI」と日本の「生き甲斐」の違い
ここ数年で日本語の「生き甲斐(IKIGAI)」って言葉がイタリアでも広まってる。友達なんてタトゥーにしてたし
「○○が生き甲斐」じゃないんだ。「生き甲斐」だけだと、何が?って思うけど
実は「IKIGAI」はイタリアだけじゃなく諸外国でも広まりつつあるんだけど、日本語の「生き甲斐」とはちょっとニュアンスが違って、崇高な観念として捉えられてるようなの。「生き甲斐」を表現する図を見つけたので日本語訳してみました
だいぶ厳選された意味で使われてる!もうちょっと幅広く「生きる上での楽しみ」くらいかと…「推しが生き甲斐」とかいうし
「生き甲斐を見つけて人生の喜びを得る」という方向性は同じだけどね。生き甲斐がいくつもあったり、すぐに変わったり、単に自分が楽しめれば良しという気安さはない
日本語の「生き甲斐」と海外で使われる「IKIGAI」は別の言葉として捉えたほうがいいかもね。日本のマリトッツォとイタリアのマリトッツォが別物であるのと同様…
「道」の一種のような「改善(KAIZEN)」
同じように「改善(KAIZEN)」って言葉も聞くようになった
KAIZENも独自進化を遂げてるの?
「無駄を削ぎ落して、長期的な視点で物事の価値を高めていく」という感じ。ベースは日本語の改善と同じだけど、そこに精神修養の側面もプラスした印象。神道や武士道といった「道」の一種のような…
物事というより、自身を継続的に改善し続けてる状態がKAIZENなのか。広まったきっかけは何?
トヨタが仕事効率化を進めるにあたって「カイゼン」をキーワードにしたことが国際的な知名度を上げたようだね
トヨタのカイゼンはビジネス書のテーマにもなってた。でもそんな深い意味を込められたら、気軽に使えなくなっちゃうよ
このまえ友達に「日本のカイゼン精神はすごく素敵、人生のモットーにする」って言われて愛想笑いしかできなかった…あの子の考えるカイゼンと私の知ってる改善、絶対ギャップがある
日本語にかかる「禅フィルター」
生き甲斐にしろ改善にしろ、なんで海外では本来以上の重みを持って使われちゃってるんだろう?
日本=禅・ミニマリズム・武士道みたいなベースイメージがあるから、精神鍛えて人生の質を上げる系の観念用語に転用しやすいんだと思う
日本で英語のビジネス用語が流行ってるのと同じ構図だね。アメリカ=ビジネスばりばりってイメージがあるから、イニシアチブ(主導権)とかアジェンダ(議題)とかあえて使って仕事してる気分を味わう
あとは、日本語っぽい語感も禅的フィルターの役目をしてて、音と意味がマッチして捉えやすいんだろうね
カイゼンに関しては偶然だけど「ゼン」って入ってるし(笑)
海外の言葉を持ってきて勝手に意味をプラスして使うという言葉のガラパゴス進化は、日本語の外来語でもある気がする
「スイーツ」とかね。単に甘いものって意味じゃなく、豪華さやご褒美感も含んでるあたり
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