ナルシスト画家アルブレヒト・デューラー!自画像画家のパイオニア・モノグラムサイン開発【クセつよ画家列伝その1】

アート&音楽

ドイツ・ルネッサンスを代表する画家、アルブレヒト・デュラー。その作品から垣間見えるクセの強さを、代表作を交えながら解説。

美術史を勉強してると、個性の強い画家がたくさん登場する

ルネサンス3大巨匠の“性癖”もなかなかクセがあったね

そんな“クセつよ”な画家をシリーズで紹介していきます。1人目はルネサンス期の画家デューラー

アルブレヒト・デューラー

ルネサンスっていうと、ダ・ヴィンチやミケランジェロ、ラファエロなんかと同時期?

そうそう!1471年生まれで、ミケランジェロの4個年上だね

あんま聞き覚えないな。有名な画家じゃない?

ドイツで活躍した画家だから、イタリア勢に比べると知名度は落ちるかも。それでも《4人の使徒》なんかは歴史の教科書に出てきたと思うけど…

デューラー《4人の使徒》

自画像画家デューラー

まずデューラーは、史上初の自画像をたくさん描いた画家です。今となっては珍しくないけど、デューラー以前には自画像を何枚も描く画家はいなかった

自画像画家のパイオニアなんだね

その時点で自分好きの気配はあるけど…一番有名な自画像は28歳のときのもの

デューラー《1500年の自画像》

こんなに目が合う肖像画初めて見た!大体みんな斜めを向いて気取った顔してるイメージ

当時は肖像画といえば真横ないしは斜め向き。真正面向きに描かれるのはキリストくらいという暗黙の了解があって、こんな風に描くのも型破りだった

ウェーブの黒髪ロングヘアもキリストっぽい雰囲気

実際、他の自画像ではデューラーはもっと明るい髪色をしてるんだよね

あえて寄せたんだね。キリストっぽく自画像描いてみた!って感じ?

まさにそれが狙いだったみたい。ちなみに右上には「ニュルンベルクのアルブレヒト・デューラー28歳、変わることのない色で自らを描く」と書かれています

子どもの頃から才能あったんです

次は13歳の時に描いた自画像のスケッチ

デューラー《13歳の自画像》

13歳が描いた絵とは思えない繊細なタッチ!天才画家の片鱗が見えるね

面白いのが、右上の文章。大人になってから書き入れられたものなんだけど、「まだ13歳だった時にこの絵を描いた」ってメモされてる

「子どもの頃からこんなに上手に描けたんだぜ!」ってアピール!?てか、誰に対して…!?

作品を整理してるときに見つけて、書かずにはいられなかったんだと思うとかわいいよね

モノグラムのサイン

あと、デューラーの作品に毎回登場するマーク

ほんとだ。なんか神社の鳥居みたい?

これ、アルブレヒト・デューラーのイニシャルのAとDを組み合わせてるんです

なるほど、モノグラムのサインなんだ!上の4桁の数字は制作した年号か

絵画のサインにモノグラムを用いたのもデューラーが最初といわれてるよ。そもそもこの時代の画家は芸術家というより職人に近い扱いで、必ず作品にサインや年号を入れるわけじゃなかった

主張が強かったおかげで、後世に作者や制作年が伝わりやすい作品を残せたんだね

クセつよ天才画家の代表作

デューラーが自分大好きなクセつよ画家ということはわかったw代表作にはどんな画があるの?

ここまで出てきた作品もどれも有名だけど、加えて3点紹介するね!

《4人の騎士》

デューラー《4人の騎士》(ヨハネの黙示録より)

26~27歳頃の作品で、新約聖書「ヨハネの黙示録」をテーマにした木版画集の1枚。版画で何冊も出せたのもあって、デューラーの知名度を爆上げした出世作です

モノクロなのに圧巻の迫力だね。小説の挿絵を担当したら、本が大ヒットして有名に!みたいな?

どちらかというと版画メインで文章のほうがオマケかな。自費出版だし、あくまでデューラーの作品集

《27歳の自画像》

デューラー《27歳の自画像》

《27歳の自画像》はキリスト風自画像の1年前の作品

こっちは割と普通の肖像画だ。髪も金髪だし、服装的にもキリストっぽさはないね

これは当時の流行最先端のファッション。芸術家として誇りを持ち、自らを貴族のように知性的に描いてるよ

《野うさぎ》

デューラー《野うさぎ》

31歳の作品。作品というか気軽な練習のスケッチだと思うんだけど、この完成度

宗教画とか自画像みたいな重めの絵が多いけど、このうさぎはかわいくていいね

デューラーは他にも版画で馬や犬やサイなど色々な動物を描いてる。動物好きってわけじゃないと思うけど、人間だけじゃなく動物もリアルに描こうとした気合が感じられるね

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