イタリアで10年働いた経験から、海外で働きたい人へアドバイス。イタリアの日本向け市場や、フリーランスの通訳・翻訳の現在、就職に有利な大学の専攻や専門知識など解説。
まき
アンナはもう10年近くイタリアで働いてるよね。日本で学生生活をしてる時から、イタリアで働こうと思ってたの？
全く！新卒就職した会社を諸事情ですぐ辞めてから、思い立ってイタリアにきたのがきっかけです。早くに決めてたら、学生時代にもっと準備出来たのにな～とちょっと後悔してる
じゃあ、今まだ学生で、将来海外就職を考えてる人がいたらどういうアドバイスをする？
「言語がわかる」だけじゃダメ！
学生のころ「言語は目的ではなくツール」と散々言われたけど、本当にその通り。現地人に勝つには、言語と＋αの専門知識が必要
むしろ専門知識がメインで、言語が＋αという捉え方をしたほうがいいのかな？
その通り！業界によってはイタリアにいても英語と簡単なイタリア語の知識で働けちゃうこともあるしね
現地人ならイタリア語完璧だし、専門知識のない外国人をあえて採用はしないか…
こっちは大学の専門に則した採用スタイルだから、日本の新卒採用のように「まっさらな君を育てたい！」って感覚もないしね。あとヨーロッパは各国間で交流も盛んで、複数言語喋れる人も多い。大学の外国語学部も2言語学ぶし
2か国語喋れます→すごい！ってことにはならないのね
縮小傾向の日本マーケット 通訳や翻訳
でも「日本語が話せる」って結構レアじゃない？日本市場向けの担当者探してる会社とか、日本人相手の仕事なら現地人よりも重宝されそうだけど
体感では、イタリアにおける日本向けマーケットは年々縮小してる。私が移住した10年前はまだ日本人向けのオフィス職求人があったけど、今は本当に見ない。近年は中国やロシアにフォーカスしてる企業が多いし、イタリアにオフィスを構える日系企業もここ20年でうんと減ったみたい
日本語話者はレアではあるけど、需要もなくなっちゃったのね…日本語という専門知識での就職先は期待しないほうがいいみたいだね
あと大きな声では言えないけど、日系企業の現地採用って待遇あまり良くないようです。足元みられちゃうからかな。支社レベルの大企業は社内環境も現地化されてそうだけど、支店や駐在員事務所のような小さいオフィスのところは…
企業に入る道がイマイチなら、フリーの通訳や翻訳はどう？外国語好きなら一度は考えるよね
通訳・翻訳の仕事はまだ無くならないと思うけど、パイは減ってる。長年通訳業界に携わってる知人によると、日伊通訳の市場はここ20～30年でかなり減ったらしい。
イタリア語に限らず、複雑な文章でなければgoogle翻訳やDeepL翻訳などのWebツールで十分だったりするしね。まだ補正する必要はあるけど、人の手は必要なくなりつつあるね
大学の専攻選びでは、住みたい国の就職率チェック！
もしアンナが学生時代に戻れるなら、海外移住に向けてどういう準備をする？
まず具体的な就職ビジョンを設定して大学の専攻を決めると思う。私はなんとなく興味の出そうな学科を選んで大学進学しちゃったから…。
それは国内就職でもそうすべきだけどね。あとは移住したい国での就職率を確認してみるとか？
そうだね。もちろん移住先でやりたい職業が先にあるなら（イタリアに移住してオペラ歌手になりたい、など）別だしそれが最適だけど、移住できればなんでもいいという場合はリサーチ必須。バイオ・技術系・マーケティングなど、一つの企業に縛られない知識を言語と同時進行で学ぶのがベスト
イタリアで就職率のいい専攻は？
2020年のレポートによると理工学部の就職率が一番良かった。理系技術者（IT・非IT共に）だと新卒でもすぐにインターン見つかる印象。文系だと圧倒的に経済学部。文学部や社会学部などは就職に直結したスキルを得にくいから就職率基準で考えると避けたほうがいい
文学部と社会学部の我々には耳が痛い現実だね
イタリアでの就職活動では面接で大学の専攻や卒論について聞かれることも多かったから、在学中にちゃんと勉強しておけばと後悔したよ。あとは英語。非英語圏でも必要になる職場は多いから、移住先言語と同じくらい英語に力を入れておいた方が良い
留学の経験はプラスになるのかな？
現地の言語や文化に慣れるっていう点ではプラスだけど、留学経験が就職活動で有利に働きはしない。とくにヨーロッパだとエラスムス制度で他国に留学してる学生も多いし
自分のためにはなるけど、経歴としてアピールはできないってことね
ほか、手に職系だと料理人は結構求人見るし、待遇も良さげ。和食シェフだとビザもとりやすそう
寿司職人なんか世界中で需要がありそう！とりあえず学生は言語はもちろん、＋αの就職で有利になる専攻を学びつつ、寿司屋でバイトしとけばオッケー！？
ブログ村ランキングに参加しています！
コメント